最初に入り口が分からず電話したことは内緒です
松江市の住宅街にひっそりと佇む「季っ儘(きまま)」。
完全予約制の小さな料理店で、カウンターと個室から成る上質な空間が広がっています。
この日はおまかせコースをいただきましたが、どの料理も丁寧な仕事が光り、
旬の食材それぞれの魅力を存分に引き出した素晴らしい内容でした。
特に印象に残ったのは、
・濃厚な勢子ガニ
・とろける鱈の白子
・万葉牛の上ミスジの香ばしさ
・鳥取県産きぬむすめを土鍋で炊いた〆のご飯
味わいだけでなく、盛り付け・器選びまでも美しく、
静かに食事を楽しみたい夜にぴったりの一軒です。
店舗外観

alt:松江 季っ儘 外観
木の扉と柔らかな灯りの行灯が印象的。
初訪問でも上質な時間が始まる予感が漂う佇まいです。
本日のコースメニュー

alt:松江 季っ儘 コースメニュー
その日に仕入れた食材を中心に組まれるおまかせ。
手書きのメニューからも店主のこだわりが感じられます。
おまかせコース料理
勢子ガニ

alt:松江 季っ儘 勢子ガニ 前菜
香り高い内子・外子、濃厚なカニ味噌。
ほぐした身を優しくまとめた冬ならではの贅沢な一品。
アマダイとナスの天ぷら

alt:松江 季っ儘 アマダイ ナス 天ぷら
軽やかな衣で包まれたアマダイの甘みと、ジューシーなナスが抜群の相性。
仕上げに散らされた塩と卵のかけてあるものが最初は柚子かと思いましたが、優しい味わいがふんわりと広がります。
お造り(鰺・芋鰹・ノドグロ炙り)
鰺

alt:松江 季っ儘 鰺 刺身
透明感のある身は程よい脂と鮮度の良さが際立ち、噛むほどに旨味が溢れます。
芋鰹

alt:松江 季っ儘 芋鰹 刺身
しっとりとした赤身の旨味が特徴。濃厚で深い味わいです。
ノドグロ(写真なし・文章補足)
皮目を軽く炙ることで香ばしさと脂の甘みが際立ち、
三種の中でも特に印象に残る贅沢な味わいでした。
美味しすぎて写真を撮り忘れました。
鱈の白子

alt:松江 季っ儘 鱈の白子 出汁
口の中でとろける濃厚な白子。
そのままでも味がしっかりしていますが、横の出汁に軽くくぐらせると
ふわりと香りが立ち、また別の美味しさに。
半分はそのまま、半分は出汁でいただくのがおすすめ。
万葉牛 上ミスジ


alt:松江 季っ儘 万葉牛 上ミスジ 焼き物
見事な火入れで仕上げられた万葉牛上ミスジ。
赤身の旨味と香ばしさが際立ち、季節野菜とともに味わう贅沢な一皿。
鰆の炙り

alt:松江 季っ儘 鰆 炙り 塩 すだち
しっとりとした鰆を香ばしく炙り、塩でシンプルに。
すだちを絞れば爽やかさが加わり、味わいの変化も楽しめます。
出汁に入った穴子

alt:松江 季っ儘 穴子 出汁 椀物
ふんわりと仕上がった穴子が温かい出汁に浮かぶ優しい一椀。
コースの中盤にほっと心落ち着く味わいでした。
土鍋ご飯(鳥取県産きぬむすめ)

alt:松江 季っ儘 土鍋ご飯 きぬむすめ 広瀬月山の水
〆は土鍋で炊いた鳥取県産きぬむすめ。
この日は“広瀬・月山の水”を仕込みに使用されているとのことで、
ご飯の粒立ちと甘みが驚くほど美しい仕上がり。おかわりして2杯目はTKG(卵かけご飯)でいただきました。
最後まで店主のこだわりを感じる素晴らしい締めでした。
お店の雰囲気
木の温もりを感じるカウンター、静かで落ち着いた個室。
華美な装飾はなく、料理そのものに集中できる大人の空間です。
特別な日やゆったり食事を楽しみたい夜にぴったり。
アクセス・店舗情報
| 店名 | 季っ儘(きまま) |
|---|---|
| 住所 | 島根県松江市寺町199-1 |
| 席 | カウンター・個室 |
| 予約 | 完全予約制 |
まとめ
松江「季っ儘」は、
丁寧な仕事と旬の食材が輝く、特別な夜にふさわしいおまかせ料理のお店。
勢子ガニの濃厚さ、白子の滑らかさ、万葉牛の旨味、
土鍋で炊いたご飯の感動まで、どの皿にも“一手間の美しさ”がありました。
静かな空間でじっくり味わう食事がしたい方に心からおすすめできる一軒です。
